金買取相場比較

コラム

出張買取の8日間 — 取り消せる場合と、取り消せない場合

当サイトが価格を追っている25社のうち、21社が自宅まで来る出張買取に対応していました。 近くに店が無くても売れる方法ですが、店頭や宅配には無い法律が1本かかります。 この法律は、売る人に「あとから取り消す」「品物を渡さないでおく」という2つの権利を与えます。 ただし条文には適用除外があり、頼み方によっては外れます。

先に結論

  • 出張買取は特定商取引法の「訪問購入」にあたり、書面を受け取った日から8日間は契約を取り消せます
  • その8日間は、契約したあとでも品物を渡さないでおけます。金は溶かされると戻りません
  • ただし「自宅で契約したい」と自分から求めた場合、条文上はこの2つが適用除外になります。 「まず査定をお願いします」と頼むのとは、扱いが変わりえます

出張買取は「訪問購入」という枠に入る

消費者庁は訪問購入を次のように説明しています。

「訪問購入」とは、購入業者が、店舗等以外の場所(例えば、消費者の自宅等)で契約を締結等して行う物品の購入のことをいいます。

店に持ち込む買取は店舗の中の取引なので、ここに入りません。宅配買取も訪問ではないので入りません。 自宅に来てもらう出張買取だけが、この章の対象になります。 もともとは貴金属の押し買い(断っても居座って安く買い取っていく手口)が問題になり、 2013年の法改正で入った規制です。売ろうとしているものが金であるほど、関係が深い条文です。

8日間にできることが2つある

1. 契約を取り消せる(法58条の14)

消費者庁の説明では、「法律で決められた書面を受け取った日から数えて8日以内」であれば、書面または電磁的記録で申込みの撤回や契約の解除ができます。起算点は契約した日ではなく、書面を受け取った日です。代金を受け取ったあとでも返金して取り消せますし、 違約金や損害賠償を請求されることはありません。 「解約はできない」と書かれた紙に印を押していても、消費者庁は同じページで「クーリング・オフできない、といった特約は無効とされます」としています。

2. 品物を渡さないでおける(法58条の15)

こちらのほうが、金を売る場面では効きます。消費者庁は「クーリング・オフ期間内は債務不履行に陥ることなく、事業者に対して契約対象である物品の引渡しを拒むことができます」と書いています。契約してしまっても、8日のあいだは手元に置いておける、ということです。 業者の側には、品物を受け取るその場で「渡さないでおけます」と告げる義務があります(法58条の9)。

なぜこれが重要かというと、取り消せても物が戻らない場合があるからです。消費者庁が載せている相談事例では、 解約を申し出た消費者が業者からこう言われています。

「指輪はもうすでに別の事業者に売ってしまっており、溶かされていると思うのでそもそも返せない。」

金やプラチナは溶かせば地金に戻り、その指輪は二度と戻りません。形見や結婚指輪なら、 金額で取り返せるものでもない。渡すのを8日待てる権利は、そのための備えです。

「自分から呼んだ場合」の扱いに注意

ここが、このページで一番書いておきたいところです。上の2つは、いつでも付いてくるわけではありません。 特定商取引法58条の17第2項は、次のように定めています。

第五十八条の六第一項及び第五十八条の七から前条までの規定は、次の訪問購入については、適用しない。 一 その住居において売買契約の申込みをし又は売買契約を締結することを請求した者に対して行う訪問購入

この「第五十八条の七から前条まで」の中に、8日間のクーリング・オフ(58条の14)も、 引渡しを拒める権利(58条の15)も入っています。つまり「自宅で契約したい」と自分から求めた人には、この2つが適用されないと読める条文になっています。

では、出張買取を自分で申し込んだ時点で権利が消えるのか。そうとは限りません。 消費者庁は「請求した者」の意味について、訪問販売の同じ表現(法26条6項1号)に関するQ&Aで、 こう説明しています。

「請求した者」とは、購入者が契約の申込み又は締結をする意思をあらかじめ有し、その住居において当該契約の申込み又は締結を行いたい旨の明確な意思表示をした場合が該当します。

単に来てもらうことを頼んだ、ではなく、あらかじめ売る意思があって、家で契約したいとはっきり言った場合という、かなり狭い読み方です。あわせて消費者庁は訪問購入のページで、勧誘の規制について「単に相手方から査定の依頼があった場合に、査定を超えて勧誘を行うことは、法に抵触することになります」とも書いています。査定を頼むことと、契約を求めることは別だ、という整理です。

申し込むときにできること

  • 申込フォームや電話では「まず査定をお願いします」と伝える。売ると決めた形にしない
  • その場で決めない。金額を聞いてから考えると言ってよい
  • 契約したら、書面を必ず受け取る。8日はそこから数える
  • 納得できていないうちは品物を渡さない。渡さないでおけると告げる義務が業者側にある

上の読み方は、条文と消費者庁の記載から当サイトが整理したものです。引用したQ&Aは訪問販売についてのもので、 訪問購入の「請求した者」について同じ説明をした記載は、消費者庁のサイト内では見つけられませんでした。 個別のケースがどちらに当たるかは、当サイトでは判断できません。困ったときは消費者ホットライン(188)や お住まいの消費生活センターにご相談ください。

出張買取に対応している21社

各社の公式サイトを読んで、出張買取の案内があることを確認できた社です(2026年9月26日時点)。このうち総合買取七福は、店頭も宅配も確認できず、出張でしか売れません。

逆に買取エリート・ギャラリーレア・ネクサス・ネットオフの4社は、出張の案内を確認できませんでした( 対応していないという意味ではなく、当サイトが見たページに書かれていなかった、ということです)。

対応エリアは社ごとに違います。公式サイトに全国対応と明記していたのは買取大吉・ブラリバ(ブランドリバリュー)・シグマ・うるココの4社だけでした。総合買取七福は東京23区に限ると明記しています。残りの社は、どこまで来てくれるかを当サイトでは確認できていません。 店舗から査定員が来る形の社もあり、その場合は近くに店が無い地域だと範囲外になることがあります。

出張買取に対応している店

公式サイトで出張買取の案内を確認できた21社です。並び順はK24(純金)の公表単価が高い順(15社)で、広告の有無は順番に入れていません。

出張の対応エリアは社ごとに違います。上に「全国」と書いていない社は、 当サイトでは全国対応かどうかを確認できていません(対応していないという意味ではありません)。 申し込む前に各社のサイトでお住まいの地域が対象か確認してください。 引用は各社の公式サイトの記載で、読んだ日は2026年9月25日です。 手数料の扱いは店によって違うので、手数料の記事も合わせてご覧ください。PR表記のある社は広告として掲載しており、申し込みがあると当サイトに報酬が入ります。

他の売り方と比べる

出張は「人が家に来る」ぶん、上のような法律の保護が付きます。一方で、店に持ち込めばその場で現金になり、 持ち帰るのも自由です。当サイトの掲載社でいえば、店頭23社、出張21社、宅配19社が対応していました。どれが良いかは、住んでいる場所と、売る量と、急いでいるかで変わります。

出典

条文および各ページは2026年9月26日に読んだものです。法令や各社の案内は変わることがあります。 このページは一般的な説明であり、個別の法律相談ではありません。

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